議事録づくりに毎回30分〜1時間かかっていると、無料で使えるAI議事録ツールを探したくなります。無料で使えるツールは3種類あります。週に何度も会議がある人は「ずっと無料で使えるタイプ」から試すのが合理的です。期間限定のトライアルだけを頼りにすると、試用が切れた翌週から元の作業に戻ってしまいます。
無料プランと有料プランの違いは、精度そのものより、話者分離やWeb会議連携、保存期間といった運用面に出ます。まず無料でどこまでまかなえるかを表で比べます。そのうえで、情シスがいない会社が確認すべき安全性の項目と、有料に移るときの価格帯まで見ていきます。
無料のAI議事録ツールは3種類。自分の使い方でどれを選ぶか決まる
無料のAI議事録ツールは、ずっと無料で使えるタイプ、有料版の一部機能を無料で使えるタイプ、一定期間だけ全機能を試せる無料トライアルの3種類に分かれます(出典:jp.plaud.ai)。まずどのタイプかを見分けてから比較を始めると選びやすくなります。
- ずっと無料で使えるタイプ:期限なく使い続けられる
- 有料版の一部機能を無料で使えるタイプ:機能は絞られるが期限がない
- 無料トライアル:一定期間だけ全機能を試せる
週に何度も会議がある人は、期間限定のトライアルだけで選ばないほうが安全です。トライアルは14日間や30日間などの期限が来ます。翌週から議事録づくりが元の手作業に戻ります。まず期限のないタイプで日常使いできるかを確かめてから、トライアルへ進みます。
すでに使っているWeb会議や社内ツールに合わせると、録音の手間が減ります。Googleドキュメントの音声入力や、Google AI Studioに新規登録してGeminiを使う方法があります。どちらも追加契約なしで試せる入口です(出典:rimo.app)。
無料プランで使える範囲を、ツールごとに並べて比べる
ツールごとに無料でできること・有料になる条件・話者分離の有無・有料料金の目安を並べます。そうすると、自分の会議に合うかどうかが見えます。下の表は上位記事で名前が挙がっているツールをまとめたものです。
| ツール名 | 無料でできること | 有料に切り替わる条件(目安) | 話者分離 | 有料料金の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Plaud | 無料プランあり(機能限定) | 文字起こし時間・保存期間の上限超え | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| Notta | 無料プランあり(機能限定) | 文字起こし時間・回数の上限超え | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| LINE WORKS AiNote | 法人利用は機能制限あり | 法人利用では有料プランへ進むことが多い | 企業向けプランで1会議最大30名対応 | 初期費用ゼロ、月額19,800円(税抜)〜 |
| ユーザーローカル音声議事録システム | ブラウザで無料利用可 | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| toruno | 無料プランあり | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| AI GIJIROKU | 無料プランあり | Zoom・Teams・Google Meet連携は有料側 | 要確認(公式ページで確認) | 月額1,650円〜 |
| AI議事録取れる君 | 無料プランあり | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| ACES Meet | 無料トライアルあり | トライアル期間終了後 | 要確認(公式ページで確認) | 月額28,000円(税抜)〜、ID数無制限 |
| Rimo Voice | 無料の範囲は限定的 | 要件を満たせない場合は有料含め比較 | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| YOMEL | 無料プランあり | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) | 要確認(公式ページで確認) |
| Googleドキュメント | 音声入力を無料利用可 | 追加契約不要(Google側の仕様に依存) | なし | 無料 |
| Google AI Studio | Geminiを無料利用可 | 追加契約不要(利用枠はGoogle側の仕様に依存) | 要確認(公式ページで確認) | 無料 |
料金や無料枠は各社の公式ページで変わります。本記事執筆時点の確認内容として、申し込み前に必ず公式ページで見直してください。
追加契約なしで今日から試せるもの
ユーザーローカル音声議事録システムのようにブラウザで使えるものや、Googleドキュメントの音声入力があります。ほかにGoogle AI Studioに新規登録してGeminiを無料で使う方法もあります(出典:rimo.app)。どれも新規契約や見積り待ちなしで、今日から動かせます。
始める前に、会社アカウントで使えるか、個人アカウントでの利用になるかを確認してください。個人アカウントでの利用は、あとの見出しで扱うデータの保管先の問題につながります。
有料版の一部を無料で使えるもの、期間限定で全機能を試せるもの
無料トライアルは14日間、2週間、30日間などツールごとに期間が分かれています(出典:japan-ai.co.jp、line-works.com)。期間中は全機能が使える設計が多いため、無料プランの機能だけを見て判断すると評価がずれます。
トライアル中は話者分離や連携機能まで開放されるため、普段の無料プランより高い精度に見えることがあります。試す順番は、ずっと無料で使えるものを先に確かめ、候補を絞ってからトライアルの本命1つに申し込みます。
無料プランで議事録作成はどこまでまかなえるか
無料プランには機能制限があります。法人利用では最終的に有料プランへ進むことが多いのが実態です(出典:line-works.com)。制限は、1回あたりの録音・文字起こし時間、月あたりの回数、話者分離、要約、保存期間、書き出し形式のいずれかにかかります。
- 1回あたりの録音・文字起こし時間
- 月あたりの回数
- 話者分離の有無
- 要約の文字数・回数
- 保存期間
- 書き出し形式
30分から1時間の定例会議を週に数回こなせるかどうかで、無料のまま続けられるかが決まります。会議の本数と長さを先に数えることが、次の見出しの判断材料になります。
時間と回数の上限は、自分の会議を数えて当てはめる
1週間に出る会議の本数と、1本あたりの長さを先に書き出し、その合計が無料枠の中に収まるかで判断します。感覚で決めず、実際の予定表から数えると精度が上がります。
上限を超えた分の扱いは、ツールによって違います。録音が途中で止まるのか、翌月まで待つのかを、各ツールの公式ページで確認してください。長い会議は、議事録が要る議題の部分だけ録音すると、枠を節約できます。
話者分離と要約が無料の対象に入っているか
誰が何を言ったかを分けるには話者分離が要り、有料のみの機能になっているツールがあります。複数人が発言する会議では、話者分離の有無が実用性を大きく左右します。
企業向けプランでは、1会議あたり最大30名まで対応する例があります。誰がいつ何を話したかが分かる議事録を自動で作成します(出典:line-works.com)。要約が無料で使える場合でも、文字数や回数で制限されることがあるため、登録前に料金ページの機能比較欄を確認します。
無料プランと有料プランで変わるのは、精度より運用のしやすさ
同じサービスなら音声認識の仕組みは共通していることが多いです。無料と有料で差が出るのは、処理できる時間の長さ、話者分離、Web会議連携、共有と検索、保存期間です。音声認識そのものの精度差より、周辺機能の有無で使い勝手が変わります。
- 処理できる時間の長さ
- 話者分離
- Web会議連携(Zoom・Teams・Google Meet)
- 共有と検索
- 保存期間
Zoom・Teams・Google Meetとのボット連携は有料プラン側に置かれていることが多い機能です(出典:japan-ai.co.jp)。会議に自動で入って録音してくれる機能を使いたい場合は、無料プランの範囲外になっていないかを確認します。
無料プラン
- 時間・回数に上限あり
- 話者分離は無い場合が多い
- Web会議連携は無いことが多い
有料プラン
- 上限が緩い、または無制限
- 話者分離が使える
- ボット連携が使える
無料のGoogleツールでは音声認識の精度に限界があるとされています(出典:rimo.app)。専門用語や社名は、そのままでは誤変換が残ります。精度は口コミで決めず、自分の会議の録音を同じ条件で2〜3ツールに通し、固有名詞の誤りを数えて比べる方法が確実です。
情シスがいない会社が、無料ツールを使う前に確認する項目
確認するのは、音声データの保存先と保存期間、学習に使われるかどうか、退会時に削除できるか、アクセスできる人の範囲の4点です。情シス担当者がいない会社ほど、この4点を後回しにすると後から困ります。
無料プランは個人向けの利用規約が適用されることがあります。法人の会議で使う前に、規約の該当箇所を読んでおく必要があります。アプリストアの表記で、データが収集されないことや、送信中に暗号化されることを示している例もあります(出典:play.google.com)。
会議の中身を機密性で3段階に分けてから試す
会議の内容を機密性で3段階に分けてから、無料ツールを試す会議を選びます。当社のAI顧問では、情報を機密性で3段階に分けて社内ルールを整えています。無料の議事録ツールを試すときも、同じ分け方がそのまま使えます。
人事評価、未公開の取引条件、個人情報が出る会議は、無料ツールで試さない側に置きます。定例の進捗共有や社内勉強会など、外に出ても損害が出にくい会議から試すと、判断を誤っても被害が小さく済みます。生成AI利用時の情報の線引きは、入力禁止情報の線引きを解説した記事にまとめています。
自分のアカウントで録音したデータを、会社のものとして残す
自腹の個人アカウントで録音すると、議事録が個人の手元にしか残らず、異動や退職でたどれなくなります。会社として管理する仕組みを、無料で試している段階から決めておく必要があります。
文字起こし結果は、社内の共有ドライブなど会社が管理する場所へ書き出して保管します。録音することは会議の冒頭で参加者へ伝え、外部の人が同席する会議では事前に了解を取ります。
無料で足りなくなったとき、いくらで有料に移るか
AI議事録ツールの料金は、個人向けの月額数百円から数千円のプランと、法人向けの月額数万円のプランに分かれます(出典:japan-ai.co.jp)。自分1人で使うのか部署で共有するのかで、見るべき価格帯が変わります。
個人で続けるなら、Zoom・Teams・Google Meet連携があるツールで月額1,650円〜という価格帯が公開されています(出典:japan-ai.co.jp)。法人契約では、初期費用なしで月額19,800円(税抜)〜、ID数無制限で月額28,000円(税抜)〜という例があります(出典:line-works.com)。
見るべき価格帯は、自分1人で使うのか、部署で共有するのかで変わります。ID数の数え方はツールごとに違うため、申し込み前に確認してください。AI導入支援会社を検討する段階になったら、費用相場と選び方をまとめた記事が参考になります。
試す順番。今週の会議で1つに絞るまでの手順
今週の会議を書き出すところから始め、5つの手順で本命ツールを1つに絞ります。
- 1つ目:今週の会議を書き出し、録音してよい会議を1つ選ぶ
- 2つ目:追加契約なしで使えるツールを2つ試す
- 3つ目:同じ音源を通して誤変換を数える
- 4つ目:話者分離と要約の要否を決める
- 5つ目:本命1つのトライアルを申し込む
- 会議を選ぶ
- 2ツールを試す
- 誤変換を数える
- 話者分離を決める
- 本命のトライアルへ
トライアルは期間が決まっているため、比較が終わってから申し込みます。先に申し込むと、比較の途中で期限が切れてしまいます。
1回の会議で判断せず、同じ会議体で2〜3回続けて使うことが必要です。参加人数やマイク環境で結果が変わるため、1回だけの結果で決めると判断を誤ります。使うと決めたら、議事録のテンプレートと保存場所を先に決めておきます。
AI議事録を入れても減らない作業と、その先で必要になること
文字起こしと要約は自動化できても、決定事項の確認、関係者への共有、宿題の割り振りは人の作業として残ります。AI議事録ツールが片づけるのは、あくまで「文字にする」「まとめる」部分だけです。
誤変換の修正時間を含めて、導入前と後で議事録1本にかかる時間を記録しておきます。これが、有料プランへ移すかどうかの判断材料になります。
議事録だけを自動化しても、会議の前後にある資料づくりや報告書の転記は別の業務として残ります。会議まわりの業務全体を見直す場合は、中小企業のDXの進め方をまとめた記事やChatGPTの社内導入手順が参考になります。
議事録の次に何をAIに任せるか迷ったときの相談先
議事録の自動化の次に何を任せるか迷ったら、業務の棚卸しから始めます。当社(株式会社AiPHA)のAI顧問は、月額5万円(チャット中心)、月額10万円(業務の棚卸しから手順書作成まで)、月額30万円(要件定義・設計まで)で、初期費用はありません。
初月に業務の棚卸しでAIを使える業務を20〜30件抜き出します。2ヶ月目にツール選定と手順書、3ヶ月目に社内ルールの整備と減った時間の記録まで進めます。日々の運用の代行はせず、安全に運用できないと判断した業務はAI化を勧めません。
外部に頼むときの料金の比べ方は、25社を調べた記事にまとめています。
よくある質問
無料のAI議事録アプリはありますか?
あります。ずっと無料で使えるもの、有料版の一部を無料で使えるもの、期間限定で全機能を試せるものの3種類に分かれます。
議事録作成AIは無料でGoogleでできますか?
できます。Googleドキュメントの音声入力があります。またGoogle AI Studioに登録してGeminiを使う方法もあります(出典:rimo.app)。
無料のAI議事録ツールは安全に使えますか?
保存先・保存期間・学習利用の有無・削除可否を規約で確認してから使います。人事評価や取引条件など機密性の高い会議では、無料ツールを使いません。
話者分離と話者識別はどう違いますか?
発言者を分けるのが話者分離、誰の声かを名前と結び付けるのが話者識別です。無料プランでどちらが使えるかは、各ツールの機能比較ページで確認します。
無料プランだけで業務に使えますか?
会議の本数と長さが無料枠に収まり、話者分離が不要なら使えます。ただし法人利用では機能制限があり、有料プランへ進むことが多いのが実態です(出典:line-works.com)。
本文の料金・無料枠・期間の数字は、jp.plaud.ai、line-works.com、japan-ai.co.jp、rimo.appの各公式ページの記載をもとにしています。申し込み前に各社の最新の公式ページで内容を確認してください。
まとめ
- 無料ツールは3種類あり、週に何度も会議がある人はずっと無料で使えるものから試す
- 無料と有料の差は、時間の上限、話者分離、Web会議連携、共有と保存にある
- 機密性で会議を3段階に分け、外に出ても損害が出にくい会議から使い始める
- 今週の会議を1つ選び、追加契約なしで使えるツールを2つ試して誤変換を数える
まずは今週、自分の会議1本を選んで無料ツールを2つ試し、誤変換の数と修正にかかった時間を記録してください。この記録は、上長へ有料プランへの切り替えを提案するときの材料になります。会社として仕組みにする段階まで来たら、フォームからご相談ください。
