AI社長やAI顧問のサービスに見積りを頼むと、月額5万円の社もあれば30万円の社もあります。何を基準に選べばよいのか、料金表だけでは分かりません。
当社が2026年9月3日にAI顧問を名乗る25社の公式ページで月額を確かめたところ、差を生んでいるのは「実装が含まれるか」でした。AI社長という呼び名で探している場合も、見積りの見方は同じです。
AI社長・AI顧問の費用相場は月5万円から50万円以上。多いのは月10万円前後と月30万円前後
AI社長・AI顧問の月額は、25社で月5万円から月50万円以上まで幅があり、月10〜11万円に7社、月30〜33万円に6社が集まっています。
この2つの帯だけで、25社中13社を占めます。月額の差は、次のどこまでを含むかの違いです。
- チャットでの相談だけ
- 業務の棚卸し(AIを使えそうな業務を書き出して順番を決める作業)と手順書の作成まで
- 要件定義や実装まで
2026年9月3日時点で、AI顧問を名乗る25社の公式ページを直接確認し、月額料金と含まれる内容を記録しました。
25社の月額は、次の8つの価格帯に分かれます。
| 価格帯 | 社数 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 月5万円 | 4社 | チャット中心、実装は含まない |
| 月8万円 | 1社 | 実装まで含む社が1社ある |
| 月10〜11万円 | 7社 | 最も社数が多い、棚卸し・手順作成まで含む例が多い |
| 月15万円 | 2社 | 選択肢が薄い価格帯 |
| 月20万円 | 3社 | 実装や設計の一部を含む例がある |
| 月30〜33万円 | 6社 | 2番目に社数が多い、要件定義・設計まで含む例が多い |
| 月35〜40万円 | 2社 | 業種特化型が含まれる価格帯 |
| 月50万円以上 | 3社 | 訪問対応や大規模な実装を含む例がある |
社数が多い帯は、企業が出せる予算と、サービス側が提供しやすい作業の量が合いやすい価格だと考えられます。
受け取った見積りがこの2つの帯から大きく外れているときは、なぜその金額なのかを業者に聞いてください。
- 安い見積り:月5万円の4社はいずれも実装(AIツールの設定やシステムの構築)を含まない。実装が入っているかを確かめる
- 高い見積り:月50万円以上の3社には訪問対応や大規模な実装を含む例がある。自社に要らない作業まで入っていないかを確かめる
月5万円のプランは4社ともチャット中心。手順書の作成や実装は含まれない
月5万円のプランは25社中4社にあり、4社ともチャット中心で、手順書の作成や実装は含まれません。
チャット中心とは、AIの使い方の相談や質問への回答が中心という意味です。業務に合わせたツールの選定や手順書の作成までは行いません。
料金の安さと、会社の規模や実績は結びついていません。
- 導入実績500社以上とうたう大手も、月5万円から参入している
- 「激安」をうたう社でも、料金表を確かめると実際には月10万円からという例があった
安さを前面に出した宣伝と、実際の料金表は別に確かめてください。目的を決めずに安さで選ぶと、契約したあとで対応の範囲が狭いことに気づきます。
チャットでの相談だけで足りるなら月5万円は選択肢になります。手順書の作成まで頼みたいなら、含まれる範囲を先に確かめてください。
実装が含まれるかどうかは、月額の高さでは分からない
実装が含まれるかどうかは、月額とは別に、見積りごとに聞いて確かめてください。
25社の中には、月8万円で実装まで含む社が1社ありました。一方で、月30万円でも要件定義(何をどう作るかを決める作業)までで、実装は別見積という社もありました。
月額の高さで決めつけると、次の2つの失敗が起きます。
- 月30万円なら実装まで任せられると思い込む。契約したあとで、実装が別料金だったと分かる
- 月8万円には実装が入っていないはずだと決めつける。条件のよい社を見落とす
金額を見る前に、実装は含まれるか、どこまでを自社側が行うのかの2点を聞いてください。この2点をそろえないと、同じ月30万円でも中身のまったく違う見積りを、並べて比べることになります。
見積りの比べ方は、月額×最低契約期間+初期費用の総額
総額は、月額×最低契約期間+初期費用で計算してから比べてください。月額が同じでも、初期費用と最低契約期間が違えば、支払う金額は変わります。
25社の初期費用と最低契約期間は、社ごとにばらばらでした。
- 初期費用:なしの社、初期構築費として15万円を別に取る社、ロードマップ作成費として30万円を契約前の設計段階で別売りする社
- 最低契約期間:なしの社、3ヶ月の社、6ヶ月の社。長いほど途中で解約したときの負担が重い
たとえば、月額5万円・最低契約期間6ヶ月・初期費用15万円のA社と、月額8万円・最低契約期間なし・初期費用なしのB社を比べます(例)。月額だけを見るとA社が安く見えます。
| 支払った月数 | A社(月5万円+初期費用15万円) | B社(月8万円、初期費用なし) |
|---|---|---|
| 1ヶ月目まで | 20万円 | 8万円 |
| 4ヶ月目まで | 35万円 | 32万円 |
| 5ヶ月目まで | 40万円 | 40万円 |
| 6ヶ月目まで | 45万円 | 48万円 |
初期費用の15万円を足すと、4か月目まではA社のほうが支払いが多くなります。
見積書を受け取ったら、月額の欄と合わせて初期費用と契約期間の欄を見てください。
業者に問い合わせるときは、次の4点をそのまま質問に使えます。
- 実装は含まれますか
- どこまでを自社側が行いますか
- 初期費用は別にかかりますか
- 最低契約期間はありますか
4点を同じ条件でそろえて聞けば、月額5万円と月額30万円の見積りも同じ土俵で比べられます。
専任のAI担当者がいない会社に合うのは、月10万円前後の帯
専任のAI担当者がいない会社は、月10万円前後で業務の棚卸しと手順書の作成まで進めてください。要件定義や社内システムとの連携まで任せたくなった段階で、月30万円前後の帯を検討します。
25社の分布では月15万円前後は2社しかなく、この帯から選べる社はほとんどありません。
AI顧問が毎月行う作業は、次の5つに分かれます。当社もこの5つを毎月の業務にしています。
- 業務の棚卸し:AIを使えそうな業務を20〜30件書き出し、減らせる時間、費用、難易度で順番を決める
- ツールの選定
- 手順書の作成
- 社内ルールの整備:扱う情報を機密性で3段階に分ける。分け方は生成AIの社内ルール、何から決めればいいかで説明しています
- 効果の測定
当社の料金は月5万円、10万円、30万円の3段階です。月5万円はチャットでの相談、月10万円は業務の棚卸しと手順書の作成まで対応します。月30万円は要件定義と設計まで対応し、初期費用はかかりません。
専任担当者がいない状態でいきなり月30万円台を選ぶと、要件定義の打ち合わせに社内側の時間を取られます。まず月10万円前後で棚卸しと手順書の作成を済ませ、必要になってから上の帯に移る順番のほうが進めやすくなります。
月10〜11万円の帯
- 棚卸しと手順書の作成まで
- 専任担当者がいない会社の最初の到達点
- 社内側は手順書を現場で使う
月30〜33万円の帯
- 要件定義と設計まで含む例が多い
- システム連携まで任せたい会社向け
- 社内側は要件定義の打ち合わせに時間を使う
訪問対応や業種特化を条件にすると、比べられる社が減って単価が上がる
訪問対応や業種特化を条件に加えると、比べられる社が減り、月額も上がります。
- 訪問を軸にしている社は25社中1社だけ。ほかはオンライン専業で、訪問を条件にすると候補は1社に絞られる
- 業種を絞った社、たとえば製造業特化をうたう社では、月40万円まで単価が上がる例があった
専門性が価格に上乗せされるため、汎用型より高くなりやすい帯です。当社も国内のオンライン対応を中心にしています。
まずオンライン対応で進められるかを検討し、必要な場合にだけ訪問対応の社を候補に加えてください。
見積りに書かれているべき2つ:3ヶ月の進み方と、日々の運用を誰が行うか
見積りには、3ヶ月でどこまで進むかが書かれているかも確かめてください。月額だけが書かれ、進み方が示されていない見積りでは、契約したあとに何から始まるのかが分からないまま進みます。
当社の場合、3ヶ月は次の順で進みます。
- 初月:業務の棚卸し
- 2ヶ月目:ツール選定と手順書の配布
- 3ヶ月目:修正、ルール整備、時間の記録
初月は業務の棚卸し、2ヶ月目はツールを選び、プロンプトと手順書を渡して社員が実務で使い始める段階です。3ヶ月目は、うまくいかない箇所を直し、社内ルールを整え、減った時間を数字で記録します。
日々の運用を誰が行うのかも、料金表には書かれていないことが多い項目です。当社は日々の運用代行はせず、基本的な設定と運用は顧客の社員が行う役割分担にしています。
この役割分担がある社とない社では、契約後に社内側が担う作業量が変わります。
問い合わせのときに、3ヶ月の進み方と、日々の運用を誰が行うのかの2点を聞いてください。
よくある質問
AI社長・AI顧問の料金は、月額だけで比べてよいですか
月額だけでは比べられません。25社では初期費用の有無と最低契約期間が社ごとに違い、月額が同じでも総額が変わります。月額×契約期間+初期費用で総額を出してから比べてください。
月5万円のプランを選んでも問題ありませんか
チャットでの相談だけで足りるなら選択肢になります。25社の月5万円のプランは4社ともチャット中心で、業務の棚卸しや手順書の作成は含まれていませんでした。手順書や実装まで進めたいなら、含まれる範囲を先に確かめてください。
専任のAI担当者がいない会社は、どの価格帯から検討すればよいですか
月10〜11万円の帯からです。25社の中で社数が最も多く、業務の棚卸しから手順書の作成まで対応する社が多い帯です。要件定義や設計まで必要になったら、月30〜33万円の帯を候補に加えてください。
まとめ
AI社長・AI顧問の月額は、25社で月5万円から50万円以上まであり、月10〜11万円に7社、月30〜33万円に6社が集まっていました。月5万円のプランはチャット中心で、実装が含まれるかどうかは月額の高さでは分かりません。狙う価格帯は、棚卸しから手順書の作成までを任せたいのか、要件定義と設計まで任せたいのかで変わります。
見積りは、実装の有無、初期費用、最低契約期間をそろえて総額で比べます。まず手元の見積書をこの3つの欄に書き直すところから始めてください。迷う場合はフォームからご相談ください。
