社員からAIの使い方を聞かれるたびに、詳しい担当者が個別に答えている。答えた内容が残らず、同じ質問を別の部署から受ける。担当者が不在の日には、仕事が止まるか、各自の判断で進んでしまう。こうした状態なら、相談の受け方と回答後の扱いを決める余地があります。
AI活用の相談窓口は、最初から専任部署や新しいシステムを作らなくても始められます。対象業務を絞り、受付担当、判断する人、回答を手順に反映する人を決めます。社員が次に何をすればよいか分かる回答を返すことが目標です。
受け付ける相談と対象外を先に伝える
AIの操作で困ったのか、入力してよい情報が分からないのか、出力が使えないのかで、必要な回答は違います。まず社内で認められたツールと業務を対象にし、どこまで相談できるかを案内します。
契約や利用権限を変える判断、業務内容の正しさを決める判断、情報管理上の判断は、相談窓口が独断で行わないようにします。それぞれの担当へ確認し、結果を相談者へ返す流れを作ります。
トラブルを報告する既存窓口があるなら、その経路も明記します。日常の操作相談と、誤送信や情報の扱いに関する報告を同じ待ち行列へ置かないよう、社内の既存手順と接続してください。
受付は短い記録から始める
受付方法は、社内で使っているフォーム、チャット、チケット管理などから選べます。新しいツールの契約より先に、誰が見て、どう回答するかを決めます。記録先を増やし過ぎず、受付済みかを相談者が分かる状態にします。
| 受付で聞くこと | 目的 |
|---|---|
| 進めたい業務 | 何を完成させたいかを知る |
| ツールと利用環境 | 社内で認めた条件かを確認する |
| 止まっている操作 | どこまで進んだかを再現する |
| 入力情報の種類 | 原文を集める前に扱いを判断する |
| 希望する期限 | 業務への影響と対応順を考える |
| 試したこと | 同じ操作を繰り返し案内しない |
相談のために、顧客情報や機密資料を公開チャネルへ貼るよう求めないでください。まず情報の種類と困っている状況を聞き、必要な場合だけ社内で許可された共有方法を案内します。
仮例:共有設定が分からず作業が止まった場合
ここでは導入実績ではなく、受付方法を考える仮例を使います。社員が「AIで作った資料を部署へ共有したい」と相談した場合、操作説明の前に、共有したい範囲と資料の情報区分を確認します。
そのツールで共有してよいと確認できれば、操作手順を案内します。判断できなければ、社内の管理担当へ確認します。操作方法が分かることと、今回の資料を共有してよいことを同じ判断にしないためです。
受付担当が抱え込まない回答体制
受付担当は、質問に必要な情報がそろっているかを確認し、回答できる範囲を判断します。ツールの基本操作なら既存手順を案内し、業務や権限の判断が必要なら該当する担当へ渡します。
米国NISTの生成AIリスク管理資料でも、AIリスクに関する役割、責任、連絡経路を明確にすることが示されています。社内相談でも、誰に確認すれば判断が進むかを先に決めておくと運用しやすくなります。NISTの生成AIリスク管理資料
回答期限と担当不在時の受け先を決める
すべての質問へ即時に答える運用は、窓口担当の通常業務を圧迫します。確認する時間帯、最初の返信で伝える内容、調査が必要な場合の次回連絡日を決めます。回答期限は自社の体制に合わせて設定してください。
担当者が不在のときに、相談が見えなくならないようにします。代わりに受ける人と、未解決の相談を確認する場所を決め、個人のDMだけに残さない運用にします。
回答には適用条件と次の操作を添える
回答は、今回の条件で何をしてよいか、次に何をするかが分かる内容にします。ツールの操作なら、使った環境や確認日も記録します。別の契約プランや権限では同じ操作ができない場合を区別するためです。
解決したかどうかは、回答を送った時点だけで判定しません。相談者が操作できた、必要な担当へ確認できた、対象外なので別手順へ切り替えた、といった結果を残します。返事がない相談は、未確認のまま区別します。
AIで回答案を作る場合も、社内ルールやツールの公式案内と照合します。窓口の回答として出す前に、誰が内容を確認するかを決めてください。
繰り返す相談を手順書へ反映する
同じ質問が来たとき、過去回答をそのまま転送する前に、今も条件が合うかを見ます。ツールの仕様、契約、社内ルールが変わっていれば、古い回答を案内し続けないようにします。
繰り返す相談は、手順が見つからない、操作が分かりにくい、判断基準が決まっていない、などの原因に分けて改善します。手順書を更新したら、相談者に使ってもらい、その手順で進められるかを確認します。
更新する人、確認日、対象ツール、関連する社内ルールを残します。相談内容を共有資料へ使う際は、個人や顧客を特定する情報をそのまま転記せず、必要な条件だけを残してください。
試行の成功条件は未解決と対応負担で見る
最初は一つの部署や業務で試し、現在の相談対応にかかる時間を記録します。用意するのは、対象範囲の案内、受付先、回答先の一覧、相談記録、よく使う手順です。
- 未解決の相談を担当者と期限付きで把握できるか
- 相談者が回答後に作業を進められたか
- 同じ問題の再発理由を記録し、手順を直せたか
- 受付担当の調査・回答・確認時間が続けられる範囲か
- 権限や情報管理の判断を適切な担当へ渡せたか
目標は試行前に決めます。相談件数が減ったことだけを成功とせず、聞きづらくなっていないか、質問が個人宛てへ戻っていないかも確かめます。未解決が積み上がるなら、対象を広げる前に体制や受付範囲を見直します。
外部のAI顧問へ相談する範囲と費用
社内で調べて答えられる担当者がいて、判断に迷うところだけ外部へ相談したいなら、相談支援が候補です。AiPHAのライトは月額5万円・税別で、指定した社内窓口からのチャット相談と月1回の定例などを提供します。業務整理、設定、実行は御社が進めるプランです。
業務の聞き取りや指示文・手順書の作成から一緒に進めたい場合は、スタンダードが候補です。月額10万円・税別、1部署・重点業務を同時に1件とし、定例・実務ミーティングは月1回、新規手順書は月1本の案内です。
いずれも初期費用なし、最低契約期間6ヶ月で、外部AIツールの利用料は別途です。全社員からの問い合わせを直接受ける代行窓口や、即時回答を保証する契約だと考えず、相談者の範囲と対応方法を確認してください。AI顧問の支援内容と料金
窓口を広げる前に整えたい条件
社内の判断者が決まっていない、担当者が相談を見る時間を取れない、情報を共有する場所がない場合は、先にその条件を整えます。外部へ助言を求めても、社内の承認やアカウント管理を誰が行うかは必要です。
相談件数が少なく既存の担当窓口で回っているなら、新しい受付を増やさず、回答記録と手順の置き場所をそろえる方法もあります。
AiPHAの無料相談はオンライン30分です。最近受けた質問、答えに詰まった理由、担当者が使える時間をもとに、社内で対応する範囲と外部支援の使い方を検討できます。
